中学生2年生の夏休み前に、児童相談所へ保護され、担当の人に約1ヶ月は帰って来れないと言われた。楓の夏休みはほぼ保護所で過ごすことになった。
初めは体を休めて過ごしていたけど、あの怒涛の日々で騒がしかった家が静まり返って、寂しい気持ちでいっぱいになった。
上の子の一吾ももちろん大事だし、楓もなくてはならない存在だけど、終わりのないケンカをしている時は、居なくなって欲しいと思ってしまった事を深く悔やんだ。
楓が帰って来てまた同じ事を繰り返さないように、このまま同じ様にしていたらダメだ。私の考えや、環境を変えるにはどうしたらいいか色々考えて、あの子が常に言っていた言葉などを思い返した。
楓がいつも言っていた事、楓から感じ取っていた事、それは私の頭を悩ませることでもあった。
家族のぬくもり。
楓は人一倍家族というものに敏感というか、私たち夫婦の不仲に寂しさを感じていた。私はそれを感じ取っていたのに、私の心がついて行かなかった。
一度夫婦が破綻してしまうと、どうしても修復は時間が経てば経つほどそう簡単には難しい。頭では分かっていても、心がどうしてもダメだった。
楓が小学5年生くらいの時だったかな、ママってパパの事好き?とかよく聞いてくる様になっていた。私も返事に困り、えー普通ーとか言ってしまっていた。口が裂けても好きと言えなかった。
そこからママはパパの事嫌いやもんな!とか言って来るようになり、私は旦那の話をされてイライラして怒ってしまったりしていた。
楓がそんな事を言うのは仕方がない事なのに、自分を優先してしまっていた。
不仲になる前は今とは真逆で、旦那の事が大好きで子供より旦那。旦那が仕事から帰って来たら誰より先に玄関に迎えに行くぐらいの私だった。
子供と旦那を取り合うような家族だった。外食に行っても旦那の隣を子供と争うような事をしていた。今思うと思い出したくない過去。
でも楓は小さいながらも全部覚えていたんだろうな。
あの時のリビングで、4人で誰が旦那の隣に座るかわちゃわちゃしていたのが、楓にとっては幸せだったのだろう。私も今思い返して幸せだったな。
小さい頃から楓は手がかかって、育てにくかったけど、その事を言い出した5年生くらいの時、表情が変わっていたような気がした、目が鋭くなったような気がして、このまま楓が願っている夫婦が仲良くして欲しいという願望を無視していたらグレてしまうんじゃないかと思い、旦那と仲良くなろうと努力を始めた。
家族で出かける事が嫌になり、休日は私と子供とで出かけたり、旦那が休日家に居ると私がイライラして喋りはしないけど、不機嫌が漂っている時は、旦那が子供をどこかに連れて行ったりで、4人で出かける事が無くなっていた。
まず4人でどこかに出かける事から始めようと思い、意を決して旦那に話があると伝えて、夜子供が寝た後に私が思っている事を伝えた。
旦那はその事を受け取ってくれて、家族で出かけるようになった。
楓は嬉しそうにしていた。私も嬉しかった。家族を取り戻そうと、旦那に嫌悪感を抱きながらも必死に頑張った。旦那と全く話しをしていなかったので、何気ない話も頑張って喋ったりした。
でもそれも長くは続かなかった。
やっぱり心がついて行かない。無理して仲良くしようとしていたから、逆に反動が大きく返ってきた。今思えば鬱っぽくなっていたかもしれない。
それからは休日になると、夕方まで布団から出られなくなった。楓にどこか行こうと言われてもしんどくて、しつこい楓に怒ってしまっていた。
楓と一吾を振り回してしまって本当に悪い事をしてしまった。旦那にはなんの感情もない。逆に憎しみというか、申し訳ないけど嫌いだ。
嫌いになった理由はたくさんあるけど、子供にはそんな事関係ないのに。でもどうしても無理だった。
そこから楓が中学生になって、不登校になった時に、また夫婦の不仲に直面する。
中学生になってから、また楓が家族の話をするようになった。誰々の家族は仲が良くて、家族でどこどこに行ったりして楽しそう、俺も行きたい。と頻繁に言うようになった。
私はその度に、ずしんと心が重くなった。5年生の時のようには、もうチャレンジすら出来なくなっていた。
だから軽く受け流していた。私も仲良くできるもんならしたいけど、出来ない。
また自分を優先してしまっていた。そんな自分にも嫌気がさし、また休日は家で布団に引き篭もるようになっていた。
でも5年生の時とは違い、楓は休日友達と出かける様になっていたので、少し気が楽だった。友達と出かけない休日は催促され、旦那を置いて、楓を連れて出かけていた。
不登校が本格的に始まり、暴力もひどくなって2度目の保護で、旦那とまた楓の事で話をするようになり、もう仲良くしようと頑張らずに親としてできる事をしようと思った。
楓がずっと言っていた、自分の部屋が欲しい。と言う事を考えるようになった。
楓の部屋を作ってしまうと不登校という事もあり、部屋から出て来なくて引きこもってしまうんじゃないかと、作らずにいた。
でも帰って来てまたケンカになった時に、いつもの自分の居場所であるリビングのソファーじゃ、また同じ事になると思い、思い切って旦那の部屋を楓の部屋にしようと思い、旦那に提案した。
旦那は自分の居場所が無くなると初めは渋っていたけど、私が楓の落ち着く場所が欲しいと言って半ば強引に承諾してもらった。
これからは楓と交代で旦那の居場所がリビングのソファーになる笑


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